大手住宅メーカーの「積水ハウス」が都心の1等地の売買をめぐって、55億円に上る巨額の土地代金をだまし取られた事件で、警視庁は所有者になりすまして土地を無断で売買する「地面師」と呼ばれるグループの男女およそ10人を特定し、事情を聴くなど捜査を進めていることがわかりました。警視庁は近く強制捜査に乗り出すものとみられます。
大阪市に本社がある大手住宅メーカーの積水ハウスは、去年4月から6月にかけて東京・品川区西五反田にあるおよそ2000平方メートルの土地について、所有者を名乗る女らから買い取る契約を結びました。
この土地は、JR五反田駅から徒歩5分の都心にある広大な面積の1等地で、マンションなどの大型開発の用地として不動産関係者が注目する土地でした。
しかし、積水ハウスが土地の所有権を移転しようとしたところ、法務局に提出された委任状などの書類が偽造されていたことが判明し、55億円に上る巨額の土地代金がだまし取られたということです。
警視庁が捜査を進めたところ、所有者になりすまして土地を無断で売買する「地面師」と呼ばれるグループの男女およそ10人が、偽造した書類などを提出し、不正に土地を登記しようとした疑いがあることが捜査関係者への取材でわかりました。
警視庁はすでに事情を聴くなど捜査を進めていて、近く、偽造した書類などで不正に土地を登記しようとした疑いなどで強制捜査に乗り出すものとみられます。
大手住宅メーカーが巨額の土地代金をいとも簡単にだまし取られた異例の事態を受け、積水ハウスではことし1月に当時の会長が辞任するなど、経営責任をめぐる問題に発展していました。
-- NHK NEWS WEB