中国とヨーロッパを結ぶ鉄道を日本企業がいかに活用していくかを考えるシンポジウムが上海で開かれ、試験的な輸送事業を行っている日本の大手物流会社がそのメリットなどを紹介しました。
このシンポジウムは、安倍総理大臣が今月25日から中国を訪問するのを前に、日本と中国の民間企業による第3国での経済協力について考えようと、JETRO=日本貿易振興機構が16日に上海で開きました。
中では、経済産業省から委託を受けて中国とヨーロッパを結ぶ鉄道輸送を試験的に行っている物流大手の日本通運の担当者が、その現状などについて報告しました。
日本通運の担当者は、中国からヨーロッパに向けてコンテナで貨物を運んだ場合、鉄道は船よりも費用は割高になるものの、輸送にかかる日数が短くなるといったメリットもあると強調しました。
中国とヨーロッパを結ぶ鉄道輸送は、中国の習近平指導部が掲げる巨大経済圏構想「一帯一路」の主要な事業の一つに位置づけられていて、内陸部の都市では、輸送拠点の整備などが大規模に進められています。
日本通運では、来年2月にも中国内陸部の都市とドイツを結ぶ鉄道貨物の定期便を運行することにしていて、鉄道輸送を活用したビジネスは、日中両国の第3国での経済協力の事例として注目されています。
-- NHK NEWS WEB