中国政府は、不正に製造したワクチンを大量に販売した会社に対して、日本円で1000億円を超える巨額の罰金を科したと発表し、厳しい処罰を行うことで後を絶たないワクチンをめぐる不正への国民の不満を抑える狙いがあるとみられます。
中国ではことし7月、東北部・吉林省にあるワクチンの大手製造会社が、狂犬病のワクチンの生産データを改ざんするなど不正な製造を繰り返していたことが発覚しました。
警察当局は、すでに製造会社の幹部らを逮捕し刑事責任を追及していますが、監督当局などは16日夜、製造会社に対し、違法な所得を没収したうえで、72億人民元(日本円で1100億円余り)の罰金を科したと発表しました。
また、違法に製造された狂犬病のワクチンを接種して障害が出るなどした場合には、製造会社に資金を拠出させて作った基金から補償金を支給する方針も明らかにしました。
中国ではワクチンをめぐる不正が後を絶たず、今回の会社は国の基準を満たしていない子ども向けのワクチンも大量に販売していたことから、国民の間で会社に加え監督当局への批判も強まりました。
中国政府としては厳しい処罰や補償の方針を示すことで、国民の不満を抑える狙いがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB