季節外れのサクラが咲いているという情報が全国各地から寄せられていて、専門家は、相次いで接近した台風に伴う強風や塩害によって、葉が落ちたり枯れたりしたことが原因だとしています。
このうち東京のサクラの名所である目黒川沿いのソメイヨシノの木でも、枝によっては十数輪の花が咲いているのが確認できました。
近くを通りかかった40代の男性は「珍しいので写真に撮って、SNSにアップします。早く咲いてしまって来年の花見が大丈夫か心配です」と話していました。
民間の気象会社「ウェザーニューズ」の調査によりますと、サクラが開花したとの報告は、今月14日の時点で九州から北海道までの各地で354件に上るということです。
特に今月にかけて台風が接近した近畿や東海、関東南部で目立っていて、海から離れた内陸でも情報が寄せられているということです。
樹木医の和田博幸さんによりますと、春に咲くソメイヨシノは、夏には花のもととなる「花芽(かが)」が作られますが、葉から成長を抑制する植物ホルモンが送られるため、気温が高くても咲くことはないということです。
しかし、台風に伴う強風や塩害によって、葉が落ちたり枯れたりしたため、このホルモンが働かなくなり、その後、気温が上がったことで季節外れの開花になったと見られるとしています。
和田さんは「過去にもあったが、これほどの規模は記憶にはない。今回咲いてしまったつぼみは来年の春は咲かないが、数は少ないので、花見には影響はないと思う」と話していました。
-- NHK NEWS WEB