富山県の黒部峡谷を走る関西電力の工事用路線「黒部ルート」が2024年度に一般開放されることになり、17日、県と会社が協定を結びました。
東京で行われた協定の調印式には、富山県の石井知事と関西電力の岩根茂樹社長が出席し、協定書にサインしました。
「黒部ルート」は、黒部峡谷鉄道の終点、欅平と黒部ダムをトロッコ電車などで結ぶ関西電力の工事用路線で、全長は18キロほどです。
このルートでは、これまで関西電力が主催する参加者を限定した見学会のみ開かれてきました。
しかし、沿線の雄大な自然を見ることができ、ダム建設時の難工事で知られる「高熱隧道」など電源開発の歴史にも触れられるとして人気が高く、県も観光振興のため一般開放を求めていました。
協定では、今後5年間で会社側が岩盤の補強などの安全対策を行ったうえで、2024年度に一般に開放するとしています。
ただ、安全面を考慮し年間の利用者は6月から10月までの間に8000人までとし、天候などの条件が整えば、最大1万人を受け入れるとしています。
調印式で岩根社長は「今回の一般開放で立山黒部の世界ブランド化に、県と一緒になって取り組んでいきたい」と述べました。
また、石井知事は式のあと、取材に対し「富山県の長年の夢の実現に向けた大きな1歩になった。多くの人に立山黒部を訪れてほしい」と述べました。
-- NHK NEWS WEB