東京で警備員として働いていた68歳の男性が勤務中に心筋梗塞を発症して死亡し、遺族は長時間労働が原因だとして労災を申請しました。代理人の弁護士は、働く高齢者が増える中、その労働環境の在り方を議論すべきだとしています。
東京 中央区の警備会社に勤めていた渡辺治さん(当時68)は、およそ4年前から都内の高校で警備員として働いていましたが、ことし2月、勤務中に心筋梗塞を発症して倒れ、2か月後に死亡しました。
弁護士によりますと、渡辺さんはもう1人の担当者と交代で夜勤などの勤務をしていて、心筋梗塞を発症する5か月前までの時間外労働は、月に83時間から130時間に上ったということです。
交代の人員を増やしてほしいと繰り返し会社に求めていたのに、かなえられなかったということで、遺族は渡辺さんが亡くなったのは、長時間労働が原因だったとして労災を申請しました。
記者会見した渡辺さんの娘は「会社がなぜ父の要望に応えてくれなかったのか疑問だ。労災と認めてほしい」と話していました。
代理人の川人博弁護士は「政府は高齢者の労働を促進しているが、警備や運送業など過酷な仕事で働いている高齢者も多い。その労働環境の在り方を議論すべきだ」と話していました。
-- NHK NEWS WEB