大手住宅メーカーの積水ハウスが土地売買をめぐって55億円の代金をだまし取られた事件で、逮捕された「地面師」グループは、元裁判官などの法律の専門家が土地の所有を証明する公的な文書「公正証書」を不正に手に入れ、取引の場で悪用していたことが捜査関係者などへの取材でわかりました。警視庁は、なりすましを見抜かれないための工作だったとみて調べています。
去年、東京・品川区にあるおよそ2000平方メートルの都心の1等地の売買をめぐって、積水ハウスが55億円をだまし取られ、警視庁は、土地の所有者になりすました生命保険会社の元営業職員、羽毛田正美容疑者(63)ら「地面師」グループの8人を逮捕しました。
その後の調べで、このグループは積水ハウスとの土地取引の場で元裁判官などの法律の専門家が土地の所有を証明する、公的な文書「公正証書」を悪用していたことが、捜査関係者などへの取材でわかりました。
「公正証書」の取得に必要な本人確認の書類としては、偽造パスポートを使って区役所の担当者をだまして手に入れた、区役所発行の「印鑑登録証明書」を使ったとみられるということです。
警視庁は土地取引の場で公的な文書にあたる「公正証書」を示したのは、なりすましを見抜かれないための工作だったとみて調べています。
-- NHK NEWS WEB