大手住宅メーカーの積水ハウスが、土地売買をめぐって55億円の代金をだまし取られた事件で、「地面師」グループのうち、67歳の男が土地の所有者になりすました女の夫として交渉の場に立ち会ったほか、事前に女に演技指導をしていたことが警視庁への取材でわかりました。
去年、東京・品川区にあるおよそ2000平方メートルの都心の1等地の売買をめぐって、積水ハウスが55億円をだまし取られ、警視庁は生命保険会社の元営業職員、羽毛田正美容疑者(63)ら「地面師」グループの8人を逮捕しました。
羽毛田容疑者は所有者の旅館のおかみになりすましていましたが、その後の調べで、17日に送検された東京・板橋区の会社役員、常世田吉弘容疑者(67)が、おかみの夫として積水ハウスとの交渉の場に立ち会っていたことが、捜査関係者への取材でわかりました。
交渉の前には、常世田容疑者が旅館のおかみの生年月日やえとなどを羽毛田容疑者に覚えるよう伝えたうえで、現場でのふるまい方について演技指導もしていたということです。ただ、実際にはえとを言い間違える場面もあったということです。
警視庁はなりすましを見抜かれないための工作だったとみて調べています。調べに対し、常世田容疑者は「知りません」と容疑を否認しているということです。
-- NHK NEWS WEB