油圧機器大手の「KYB」グループによる免震・制振用のダンパーの検査データ改ざん問題で、工場の従業員が改ざんの疑いを上司に指摘したあとも、およそ1か月にわたって不正な検査を続け製品を出荷していたことがわかりました。
「KYB」とその子会社は、平成12年3月からことし9月にかけて販売した、地震による揺れを抑える建物用のダンパーで検査データを改ざんし、全国で1000件近くの物件に設置されています。
会社によりますと、この問題は、工場の従業員が改ざんの疑いを指摘したことで発覚しましたが、指摘後もおよそ1か月にわたって不正な検査を続け製品を出荷していたことがわかりました。
疑いを指摘したのは、データの書き換えを行っていた検査員とは別のダンパーの組み立てを担当していた従業員で、検査員との雑談の中で問題を知り、ことし8月上旬に上司に報告していたということです。
しかし、会社がデータの改ざんをやめたのは、社内調査を始めるなどしたあとの先月8日になってからでした。
これについてKYBは「指摘された情報の信ぴょう性が確認できず、検査を改める判断が遅くなった。指摘後も不適切な製品を生産していたことは間違いない」と説明しています。
-- NHK NEWS WEB