油圧機器大手の「KYB」グループによる免震・制振用のダンパーの検査データの改ざん問題で、社内には検査結果を確認する担当者がいたにもかかわらず、チェック機能が働かずに長年にわたって改ざんが続けられていたことがわかりました。
KYBとその子会社は、地震の揺れを抑えるダンパーの検査結果を改ざんしていたことを明らかにし、改ざんが確認されたかその疑いがあるダンパーは、全国で1000件近くの物件に設置されています。
KYBによりますと、ダンパーの検査担当者は1人しか配置されておらず、検査結果が国の基準などを満たさなかった場合、データを書き換えて適合するように装っていました。
社内調査に対して、平成15年の時点で、検査を担当していた従業員が「自分が不正を始めた」と話していて、これ以降の検査担当者7人も全員、改ざんを行っていたということです。
一方、社内には、検査結果を確かめる別の担当者もいましたが、改ざん後のデータが書かれた記録用紙で確認していたため、チェック機能が働かずに長年にわたって改ざんが続けられていました。
KYBは、不正が行われた背景についてさらに調査を進めるとともに、19日午後にも交換の対象となるダンパーが使われた物件のうち、不特定多数の人が出入りし所有者などの了解が得られた建築物について、名前を公表することにしています。
-- NHK NEWS WEB