大手住宅メーカーの積水ハウスが、土地売買をめぐって55億円をだまし取られた事件で、事件直前に、土地に建っている旅館の鍵が無断で別のものに付け替えられていたことが捜査関係者などへの取材でわかりました。警視庁は「地面師」グループが、積水ハウスの担当者に現場を見せるために鍵を交換したとみて捜査しています。
去年、東京・品川区にある都心の1等地の売買をめぐって、積水ハウスが55億円をだまし取られ、土地の所有者になりすました生命保険会社の元営業職員、羽毛田正美容疑者(63)ら「地面師」グループの8人が逮捕されました。
この土地は、老舗旅館の70代のおかみが所有していましたが、おかみが体調を崩して入院している間に旅館の裏口の鍵が無断で外され、別の鍵に付け替えられていたことが捜査関係者などへの取材でわかりました。
旅館の中には、外部から侵入した形跡も残されていたということです。
土地売買の契約が成立する前の去年春ごろには、積水ハウスの担当者を招いて現場の土地や旅館の建物を見せる内覧が行われたということです。
警視庁は、逮捕された「地面師」グループが、内覧などを行うために鍵を無断で交換したとみて、詳しいいきさつを捜査しています。
-- NHK NEWS WEB