油圧機器大手の「KYB」グループによる免震・制振用のダンパーの検査データの改ざん問題で、石井国土交通大臣は19日の閣議のあとの記者会見で、「問題のあるダンパーについては、迅速に交換する必要があると考えている」と述べ、会社側の速やかな対応を求めました。
KYBとその子会社は、地震の揺れを抑えるダンパーの検査結果を改ざんしていたことを明らかにし、改ざんが確認されたかその疑いがあるダンパーは、全国で1000件近くの物件に設置されています。
KYBによりますと、ダンパーの検査担当者は1人しか配置されておらず、検査結果が国の基準などを満たさなかった場合、データを書き換えて適合するように装っていました。
これについて、石井国土交通大臣は「国交省が事前に不正を把握できなかったのは残念に思っている。所有者や利用者に不安を与え、建築物に関する国民の信頼を揺るがす行為で極めて遺憾だ」と述べました。
また、建物は震度6強から7程度の揺れで倒壊するおそれはないとしたうえで、「問題のあるダンパーについては、迅速に交換する必要があると考えている」と述べ、会社側の速やかな対応を求めました。
KYBは、対象となるダンパーが使われた物件のうち、所有者などの了解が得られたものについて、19日午後に記者会見して物件名を公表することにしています。
-- NHK NEWS WEB