油圧機器大手の「KYB」グループによる免震・制振用ダンパーの検査データの改ざん問題で、基準を満たしている製品についても、性能をよりよく見せるために改ざんを行っていたケースが新たに108の物件であったことがわかりました。
KYBグループは地震の揺れを抑えるダンパーの検査結果を改ざんしたことを明らかにし、改ざんやその疑いがあるダンパーは全国で987の物件に設置されていると公表しました。
KYBはこれまで、改ざんしたのは検査結果が国の基準や契約した際の基準を満たしていない場合だと説明していました。
しかし実際には、基準を満たしている製品についても、顧客に対して性能をよりよく見せるため一部でデータを改ざんしていたことが新たにわかりました。
こうした目的で改ざんされたダンパーは108の物件に設置され、「東京スカイツリー」でも一部でデータの書き換えが行われていました。
スカイツリーの運営会社は「安全性に問題がないことを確認した」としていて、交換の対象にはなっていないということです。
改ざんやその疑いのあるダンパーが設置された物件数はこれで1095件となります。
KYBは「安全上の問題はないと判断し公表していなかった。個別には対応しており隠すつもりはなかった」と説明しています。
-- NHK NEWS WEB