イギリスがEU=ヨーロッパ連合から離脱する条件の交渉が難航している中、国内の自動車メーカーの業界団体「日本自動車工業会」は、合意のないまま離脱となれば、企業活動などへの影響は甚大なものになるという声明を発表しました。
イギリスは来年3月にEUから離脱しますが、離脱条件をめぐって双方の交渉は難航しています。
仮に合意がないままイギリスが離脱することになれば、イギリスとEUの間で自由にモノの移動ができなくなり、経済が大きく混乱すると予想されています。
これに関して、日本自動車工業会の豊田章男会長は19日、声明を発表し、「物流が滞ることによる生産活動の停止や物流・生産コストの増加で、企業業績の悪化や車を購入する消費者の負担増加など、影響は甚大なものになる」として、合意なき離脱への強い懸念を示しました。
そのうえで、イギリスとEUの双方に、合理なき離脱の回避と離脱後の貿易ルールなどの円滑な移行を実現し、企業活動への影響を最小限に抑えるよう求めました。
合意なき離脱をめぐっては、トヨタ自動車が、イギリスの工場で車の生産ができなくなるおそれがあるとして、工場の操業の一時停止も検討しているほか、イギリス最大の自動車工場を持つ日産自動車も強い懸念を示しています。
-- NHK NEWS WEB