イタリアが来年の予算案で大幅な赤字を見込む中、大手格付け会社の「ムーディーズ」は、財政の悪化が予想されるとしてイタリア国債の格付けを投資に適する中では最も低い水準にまで引き下げました。
イタリア政府は来年の予算案で財政赤字をGDP=国内総生産の2.4%と見込んでいて、審査に当たるEU=ヨーロッパ連合は、巨額の債務の削減につながらず財政規律の順守を義務づけたEUの協定に対する深刻なルール違反だと指摘しています。
アメリカの大手格付け会社「ムーディーズ」は19日、イタリア国債の信用度を示す格付けをBaa2からBaa3に1段階引き下げました。
これは投資に適するとされる中では最も低い水準に当たります。
理由については、イタリアが予算案で見込んでいる赤字が予想以上に大きく、今後、財政悪化が続くと予想されるためだとしています。
ヨーロッパの金融市場ではイタリアの財政の先行きに対する懸念が強まっていて、イタリアの10年ものの国債の利回りはおよそ4年8か月ぶりの高い水準にまで上昇しています。
-- NHK NEWS WEB