通常のタクシーよりも大型で障害者などが乗りやすいとして国が導入を進めている「ユニバーサルデザインタクシー」で、車いすの利用者が予約や乗車を断られるケースがあることが障害者団体の調査でわかりました。
ユニバーサルデザインタクシーは障害者や高齢者でも乗りやすいよう通常よりもドアが大きく車内のスペースも広く作られたタクシーです。
国がタクシー会社に購入のための補助金を出すなどして導入を進めていて、東京都ではオリンピックとパラリンピックが開かれる2020年度までに全体のおよそ5分の1にあたる1万台の導入を目指しています。
ところが、障害者が作る団体の「DPI日本会議」が先月までの4か月間に全国の車いすの利用者にインターネットを通じて利用状況を尋ねたところ、回答を寄せた44人のうち11人が予約や乗車を断られていたことがわかりました。
具体的には、運転手から「研修を受けていない」と言われて乗車を断られたり、事前にタクシー会社に電話すると「予約は受け付けていない」と言われたケースがありました。
国土交通省によりますと、車いすが規定の大きさや重さを超えるなどのやむを得ない理由を除いて乗車を拒否するのは道路運送法に違反するおそれがあるということです。
調査したDPI日本会議の今西正義顧問は「共生社会を目指すために導入したはずなのに、乗車拒否があると何のためのタクシーなのかと思う。こういうことのない社会になってほしい」と話し、国にタクシー会社への指導を徹底するよう求めています。
-- NHK NEWS WEB