アメリカのトランプ次期大統領は、中国の対応しだいでは、アメリカの歴代政権が堅持してきた「1つの中国」政策を見直す可能性を改めて示唆し、中国に為替や貿易政策の改善を促しました。
これは、トランプ次期大統領がアメリカの新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」のインタビューで明らかにしたものです。この中でトランプ氏は、「台湾は中国の一部」という中国政府の主張を認識するとしたアメリカの「1つの中国」政策を堅持するかどうかについて、「『1つの中国』も含めすべてが交渉の対象だ」と述べ、見直す可能性を改めて示唆しました。
そのうえで、「中国が自国の通貨を意図的に安くし、アメリカ企業の競争力が損なわれている」と批判し、中国に為替や貿易政策の改善を促しました。ただ、大統領就任直後に中国を「為替操作国」に認定するというこれまでの主張については「まずは中国側と協議する」と述べ、交渉を優先する考えを示しました。
一方、トランプ氏は、自身が関係改善に意欲を示すロシアについてオバマ政権が科した制裁を「当面は維持する」と述べる一方で、「ロシアがアメリカに本当に協力すれば、なぜ制裁を科す必要があるのか」と述べ、ロシアの対応しだいでは制裁を解除する姿勢を示しました。
-- NHK NEWS WEB