カナダの大手航空機メーカーのボンバルディアは、国産初のジェット旅客機を開発している三菱航空機が、元従業員を通じて企業秘密を不正に手に入れたとして損害賠償などを求める訴えを、アメリカ西部 シアトルの裁判所に起こしました。
訴えられたのは三菱重工業の傘下で、国産初のジェット旅客機、MRJの開発を進めている三菱航空機や、協力関係にあるアメリカのアエロテックという会社などです。
ボンバルディアが19日、アメリカ西部 シアトルの裁判所に提出した訴状によりますと、三菱航空機の協力会社のアエロテックは、ボンバルディアの「Cシリーズ」と呼ばれる小型旅客機の開発にあたった元従業員らを採用し、商業化のために必要な当局の認証手続きに関する重要情報を不正に手に入れたとしています。
ボンバルディアは、元従業員が退職する直前に個人のメールアドレスに企業秘密を含む情報を許可なく送り、三菱航空機やアエロテックの手に渡ったと主張しています。
また、情報は「MRJの開発、認証、商業化に、非常に価値あるものだ」とも指摘し、損害賠償を請求するとともに、情報の使用の差し止めを求めています。
MRJは国産初のジェット旅客機として期待が高まっていますが、開発が遅れ、ことし1月には受注がキャンセルされるなど厳しい状況が続いています。
-- NHK NEWS WEB