１万6000人余りが暮らす瀬戸内海の島、山口県の周防大島町と本州側を結ぶ橋や送水管が損傷したことによる大規模な断水は復旧のめどは立っていません。さらに、島と本州側を結ぶ唯一の道路となるこの橋が、安全点検のため少なくとも23日いっぱいは通行止めとなる見込みで住民生活への影響が懸念されます。
周防大島町と本州側とを結ぶ大島大橋で22日の未明、外国船籍の貨物船が衝突したとみられています。
橋に設置された送水管が損傷し、町内のほぼ全域となるおよそ9000世帯で断水しています。
水道を供給している柳井地域広域水道企業団は橋に仮設の送水管を設置する方向で検討していますが、復旧のめどは立っていません。
さらに橋を管理する山口県は、衝突による影響がないか詳細な安全点検が必要だとして22日午後10時すぎから全面的に通行止めにしました。
通行止めとなった大島大橋は町と本州側を結ぶ唯一の道路で、22日夜は通行止めになる前に橋を渡ろうとする車などで渋滞していました。
ほかの交通手段としては、本州と四国とを結ぶ「防予フェリー・周防大島松山フェリー」のうち１日４往復のみ島の東部にある伊保田港に寄港しますが、フェリー会社のホームページでは「大変な混雑が予想され、満車・定員になりしだい、乗船をお断りする場合があります」と注意の呼びかけが掲載されています。
県によりますと、橋の通行止めは少なくとも23日いっぱい続く見込みです。
県は臨時の客船の手配を進め、23日は民間の船１隻による４往復分を確保しましたが、断水に加えて橋が通行できなくなることで町内が孤立状態となり、住民の生活に大きな影響が出ることが懸念されています。
-- NHK NEWS WEB
