今月、東京証券取引所の売買システムの1つに障害が起き株式などの売買ができなくなった問題で、東証は、市場を運営する立場として十分な使命を果たせなかったとして社長の報酬を減額する処分を発表しました。
東証では、今月9日、4つある売買システムの1つで障害が起き、およそ40の証券会社で、一時、株式などの売買ができなくなりました。
この問題で東証は23日、障害の原因と再発防止策を取りまとめ、金融庁に提出しました。
それによりますと、障害が起きた原因は、外資系の「メリルリンチ日本証券」のサーバーの設定ミスで取引開始前に大量の通信電文が送られ、東証のシステムに負荷がかかって機能が停止したことだとしています。
また、本来稼働していた残る3つのシステムに切り替えれば売買できるはずが、うまく切り替えられなかった証券会社があったとしています。東証は、みずからのシステムに問題はなかったとしつつも、再発防止に向けて、来月以降、証券会社とテストを実施する方針です。
そのうえで、市場を運営する立場として十分な使命を果たせなかったとして宮原幸一郎社長の報酬を1か月間、10%減額する処分を発表しました。
今回、メリルリンチ日本証券を利用していたのはコンピューターで大量の売買を行う高速取引業者だったということで東証は、急増する高速取引が市場に与える影響について、金融庁に報告を求められたことも明らかにしました。
-- NHK NEWS WEB