長野県軽井沢町でスキーツアーのバスが道路脇に転落し、大学生など15人が死亡、26人がけがをした事故から、15日で1年になります。事故現場に設けられた献花台には、事故で友人を亡くし、みずからも負傷した大学生たちが訪れて花を手向け、犠牲者を悼みました。
去年1月15日の午前2時ごろ、長野県軽井沢町でスキーツアーのバスがセンターラインを越えて道路脇に転落し、大学生など15人が死亡、乗客26人がけがをしました。事故から1年となる15日、事故現場に設けられた献花台には、事故が発生した時刻の午前2時前に、友人を亡くし、みずからも負傷した大学生3人が家族らと献花に訪れ、黙とうをささげました。
学生たちは、「事故直後のうめき声が聞こえた気がして、寝ていても起きてしまうこともありました。亡くなった友人に『また会いに来たよ』という気持ちで黙とうしました」と話していました。また、事故を起こした東京のバス会社の社長らも献花に訪れ、「すべての皆様におわび申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪しました。
事故をめぐっては、バス会社で運行に関わる多くの法令違反が見つかるなど、ずさんな安全管理の実態が浮き彫りになり、犠牲になった大学生の家族らが「遺族会」を結成し、国などに安全対策の強化を訴えてきました。その結果、先月には貸し切りバス会社に対する規制強化を盛り込んだ改正道路運送法が成立しました。
一方、警察は事故原因の捜査を進めていて、これまでの調べで死亡した運転手がギアチェンジの操作ミスをしたことで、エンジンブレーキなどが利かない状態になり、事故を起こした疑いがあることがわかりました。さらに、バス会社側が大型バスの運転に不慣れな運転手の指導を怠っていたとして、会社幹部などを業務上過失致死傷の疑いで立件する方針で詰めの捜査を進めています。
15日は犠牲者を悼み、事故の再発防止を誓う1日となります。
-- NHK NEWS WEB