アメリカの大手コーヒーチェーンのスターバックスは、すべての従業員が手話で応対できる全米初の店舗を開店し、地域社会のつながりや多様性を重んじる姿勢を示す狙いがあるものとみられます。
スターバックスは23日、アメリカの首都ワシントンで、24人の従業員の全員が手話で応対できる店舗を開店しました。
全米で初めての試みで、従業員の多くは聴覚に障害のある人たちで、利用客と手話でやり取りするほか、手話ができない客に対しても、電子ノートなどを使って注文を受けます。
また、従来の店舗では注文した商品を手渡す際に名前が呼ばれますが、この店舗では画面に表示して伝えるほか、利用客にも手話を学んでもらおうとカウンターに手話の表現を紹介した絵を掲示するなど工夫を凝らしています。
開店初日には多くの客が訪れ、聴覚に障害のある女子大学生は「普通の店舗だと理解してもらえるか不安に感じながら店員に話しかけますが、ここではそれが必要ないので安心できます」と手話で伝えていました。
スターバックスはことし4月、店舗で黒人への人種差別に基づく対応があったと批判され、当時のシュルツ会長は6月、退任にあたって従業員に「あらゆる人が歓迎される店舗こそ最良だということを忘れないでほしい」と呼びかけています。会社としてはこうした店舗を展開することで地域社会のつながりや多様性を重んじる姿勢を示す狙いがあるものとみられます。
-- NHK NEWS WEB