日本の支援によって工事が進められているインドネシアで初となる地下鉄は、現在の路線がおよそ8キロ延伸されることになり、路線の開通に700億円余りの円借款が活用されることになりました。
インドネシアで初めての地下鉄は、首都ジャカルタの中心部を15.7キロにわたって南北に結ぶもので、円借款を活用して、日本と地元の建設会社による共同企業体が来年3月の開通を目指して工事を進めています。
インドネシア政府は、この路線を北に7.8キロ延伸することを決めました。
これを受けて、日本政府は24日、トンネルの建設工事費や車両などを購入するために新たに700億円余りの円借款を活用することで、インドネシア政府と合意しました。
延伸される区間は、2025年の完成を目指すということです。ジャカルタでは世界最悪とも言われる交通渋滞によって、大気汚染のほか経済損失も出ているため、地下鉄の延伸が渋滞の解消につながると期待されています。
インドネシアでは、2015年に日本との激しい競争のすえ、中国が高速鉄道を受注しましたが、一時、中国側から資金が融資されなかったため、工事は大幅に遅れています。
日本側としては、新たな区間でも工事を着実に進めることで、インドネシアで計画されているそのほかのインフラ整備の受注獲得につなげたい考えです。
-- NHK NEWS WEB