ことし6月に起きた大阪府北部の地震で、SNSなどを通じて広がったライフラインや交通に関するデマを多くの人が信じて知人などに伝えていたことが、東京大学などの調査でわかりました。専門家は、人々の不安感がデマが拡散した背景にあると指摘しています。
大阪府北部の地震が発生した際、ツイッターなどのSNS上では「箕面市の全域で断水している」とか「阪急電車が脱線した」といったデマが広がり、自治体などがデマを拡散させないよう呼びかける事態となりました。
このため東京大学は、民間の調査会社と協力してデマがどう拡散したかについて、近畿地方の20歳以上の男女800人を対象にインターネットを通じて調査しました。
その結果、こうしたデマのうち「箕面市の全域で断水している」については65.8%の人が、「阪急電車が脱線した」は46.3%の人が信じたと回答しました。
また、見聞きした人の4割近くが家族や友人、知人にそのまま伝えていて、ライフラインや交通に関するデマが特に拡散していたことがわかりました。
災害時のデマを巡っては先月、北海道で起きた地震でも、携帯電話の通信や断水などをめぐって不正確な情報が広がっています。
調査を行った東京大学総合防災情報研究センターの関谷直也准教授は「大勢が不安を抱える中、見聞きしたわずかな情報を善意で伝えようとしてデマが広がったと考えられる。災害時には、行政や事業者が情報を積極的に提供することでデマの拡散を防ぐことが大切だ」と話しています。
-- NHK NEWS WEB