太平洋戦争中に徴用工として日本で働かされた韓国人4人が新日鉄住金に損害賠償を求めた裁判で、来週、韓国の最高裁判所が判決を言い渡すのを前に、原告側の弁護士らが会見を開き、賠償を命じる判決を出すべきだと主張しました。
日本統治下の朝鮮半島から太平洋戦争中に徴用工として日本で働かされた韓国人やその遺族が企業を相手取って損害賠償などを求めている裁判は、現在、3件が韓国の最高裁判所で争われていて、このうち、最初の判決が、今月30日、4人が新日鉄住金を訴えた裁判で言い渡されます。
これを前に、24日午後、原告側の弁護士や支援者たちおよそ20人がソウルにある最高裁前で記者会見を開き、弁護士は「最高裁は、法律と良心に従い、どうやったら原告の権利を守ることができるのか考えて判決を出すべきだ」と主張しました。
そして、集まった人たちは「日本企業は、謝罪し、賠償しろ」とシュプレヒコールをあげたあと、企業に賠償を命じる判決を出すよう求めた、およそ800人分の嘆願書を最高裁に提出しました。
元徴用工の訴えをめぐり、日本政府は、1965年の国交正常化に伴う日韓請求権・経済協力協定によって「完全かつ最終的に解決済みだ」という立場で、韓国政府も、以前、それを認めています。
しかし、韓国の最高裁は、2012年に「個人の請求権は消滅していない」という判断を示していて、今回、企業に賠償を命じれば、日韓関係に大きな影響を及ぼすと懸念されています。
-- NHK NEWS WEB