トルコのサウジアラビア総領事館でジャーナリストが死亡した事件について、サウジアラビアの検察当局は、国営通信を通じて「事件は計画的だった」と発表し、偶発的な事件だったとするこれまでの見解を修正しました。事件の計画性を指摘するトルコに歩み寄ることで、早期の幕引きを図る狙いがあるものとみられます。
ジャーナリストのジャマル・カショギ氏が、トルコにあるサウジアラビア総領事館で死亡した事件では、合同で捜査にあたっているトルコのエルドアン大統領が、「残酷で計画的な殺人だ」と指摘しているほか、国際社会からもサウジアラビア政府に対して、真相の究明を求める声が高まっています。
こうした中、サウジアラビアの検察当局は25日、国営通信を通じて、「トルコ側からもたらされた情報は、事件は計画的だったことを示している」とする声明を発表しました。
この声明は、事件は偶発的に起きたとするこれまでの見解を修正するものですが、事件への関与が指摘されるムハンマド皇太子については一切触れておらず、トルコの主張に歩み寄ることで、早期の幕引きを図る狙いがあるものとみられます。
また、サウジアラビアで開かれていた皇太子主催の経済フォーラムでは、今回の事件を受けて各国の要人や企業の幹部が相次いで欠席しましたが、最重要閣僚の1人、ファリハ エネルギー産業鉱物資源相は25日、国営テレビで、「欠席したすべての企業から謝罪の電話があった。数週間のうちに関係は修復されるだろう」と述べるなど、サウジアラビア政府は強気の姿勢を崩していません。
-- NHK NEWS WEB