1万5000枚の肖像画のデータをAI=人工知能に学習させて描かせた肖像画が25日、ニューヨークでオークションにかけられ、日本円で4800万円余りの高値で落札されました。オークション会社によりますと、AIが描いた絵画の出品はこれが初めてだということです。
ニューヨークの大手競売会社、「クリスティーズ」で、人工知能を使って描かれた絵画がオークションに出品されました。
「エドモンド・ベラミーの肖像」と名付けられたこの作品は、実在しない男性の上半身を、70センチ四方のキャンバスにインクジェット式のプリンターを使って描いた肖像画で、全体的に印象派の作品のような淡いタッチで、鼻や口などの細かい部分ははっきりしていません。
制作したのはパリに拠点を置く起業家や芸術家などの男性3人のチームで、レオナルド・ダビンチやミケランジェロなどが活躍したルネサンス期を含む、14世紀から20世紀までに描かれた肖像画1万5000枚のデータを学習させて描かせたということで、オークションの結果、予想価格のおよそ40倍の43万2500ドル(4800万円余り)で落札されました。
会社によりますと、AIが描いた絵画が出品されたのはこれが初めてで、会社の担当者は「AIは今後、芸術に影響を与えるものの1つになるだろう。これからどう展開していくのか楽しみだ」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB