病気やけがの療養を続けてきた世界的指揮者の小澤征爾さんが、ことし12月に東京で行われるコンサートで、およそ1年2か月ぶりに本格的なオーケストラを指揮することになりました。
小澤さんの作品を発売しているレコード会社によりますと、小澤さんは12月5日に東京のサントリーホールで行われるコンサートで、最後の楽曲に登場し、およそ10分間、指揮をとるということです。
小澤さんは、ことし3月に心臓の弁がうまく機能しない「大動脈弁狭さく症」と診断され、手術を受けました。
8月には背骨の一部を圧迫骨折して腰を痛め、総監督を務める長野県松本市の「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」への参加を見送ったほか、今月、水戸市で行われた公演も降板していました。
小澤さんの事務所によりますと、経過は順調で、現在は歩いたり体を動かしたりして、日常生活を問題なく送れるまで回復しているということです。
小澤さんは、療養中のことし7月に、みずからが主宰する室内楽アカデミーで指揮をとっていますが、本格的なオーケストラを指揮するのは去年10月以来、1年2か月ぶりとなります。
今回の公演では、自身が結成に携わった「サイトウ・キネン・オーケストラ」とドイツの世界的なバイオリニスト、アンネ=ゾフィー・ムターさんとともに出演するということで、小澤さんは「サイトウ・キネン・オーケストラとアンネ=ゾフィー・ムターが初めて共演します。それを僕が指揮するので、大変楽しみにしています」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB