免震・制振ダンパーの検査データ改ざん問題で、国土交通省は、国の基準を満たしていないダンパーが工事中の建物で使われている場合、完成後の検査で建物全体としての安全性が確認されれば、ダンパーの交換前であっても暫定的に建物の使用を認めることを決めました。
油圧機器大手のKYBグループが検査データを改ざんしたダンパーのうち、国の基準を満たしていないものが設置された建物は、建築基準法に違反するため、適正なダンパーに交換する必要があります。
工事中の建物で使われていた場合、本来はダンパーを交換しないと使用許可が出ないため、引き渡しが遅れるなど影響が長引くおそれがあります。
このため国土交通省は、こうした建物について、完成後の検査で全体としての安全性が確認されれば、暫定的に使用を認めることを決めました。
この検査は、建築主事を置いている都道府県や規模の大きな市などの特定行政庁が行い、民間の確認検査機関には認められないことになっています。
3年前に発覚した東洋ゴム工業による免震装置の検査データ改ざん問題の際も、国土交通省は同様の対応を取っていて、こうした方針を全国の特定行政庁に通知しました。
-- NHK NEWS WEB