自動運転技術の開発競争が激しさを増す中、大手建設会社が、地図データがなくGPSが活用しにくい、工場や商業施設などの敷地内で、自動運転の車を走らせるシステムの開発に乗り出しました。
現在、開発が進んでいる自動運転技術は、地図データをもとにGPSを使って走行するものが一般的ですが、工場や商業施設などの敷地内は、地図データが公開されているものは少なく、自動運転での走行が難しいといった指摘が上がっていました。
こうした中、「清水建設」は、名古屋市のベンチャー企業と施設内で自動運転の車を走らせるシステムの開発に乗り出しました。
このシステムでは施設に入る自動運転車に、管制センターから敷地の詳細な地図データや周辺の障害物の情報もリアルタイムに送信します。また、敷地内の監視カメラを通じて走行中の車両の位置や歩行者の情報などを正確に把握しAI=人工知能を使ってスムーズで安全な自動走行が可能になります。
会社は、実証試験を重ね、2年後の2020年までにシステムを完成させたいとしています。
清水建設技術研究所の本多眞センター長は「自動運転車が人やモノを効率よく安全に運ぶ仕組みを整備し、新たな施設やまちづくりに向け開発を加速させたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB