南米のブラジルでは28日、大統領選挙の決選投票が行われ、その過激な発言から「ブラジルのトランプ氏」とも呼ばれるジャイル・ボルソナロ氏が過半数の支持を得て大統領に就任することになりました。
任期満了に伴い4年に1度行われる南米ブラジルの大統領選挙は28日、決選投票が行われました。
投票の結果、貧困層へのばらまきをやめ、汚職を撲滅させると訴えた右派のジャイル・ボルソナロ氏が現状に不満を持つ中間層や富裕層の支持を集め、労働者の保護などを訴えた左派のアダッジ氏におよそ10ポイントの差をつけて当選しました。
ボルソナロ氏は元軍人の63才。選挙戦では「ブラジルを再び偉大な国にする」と訴えたほか、黒人や女性への差別的な発言を繰り返し、ブラジルのトランプ氏とも呼ばれています。
ブラジルでは当選が決まった直後から町の至るところで花火が上がり、サンパウロ中心部の大通りには10万人を超える人が集まり勝利を祝っています。支持者の1人は「最高の気分だ。彼が大統領になることが最も良い選択だった」と話していました。
一方、ボルソナロ氏はこれまで大手メディアを「フェイクニュース」だと批判していて、選挙結果の判明後も公式な会見は行っていません。
ボルソナロ氏は自宅前でメディア代表の記者に対して勝利宣言を読み上げ、「大統領という職務は神が私に与えた使命だ。共産主義を排除し、ブラジルを一つにする」と話しました。
地元警察によりますと、ブラジルでは各地で支持者と反対派の間で衝突が相次いでいて、2つに分断されたブラジルをまとめていけるのか注目されます。
-- NHK NEWS WEB