日立製作所グループの化学メーカー「日立化成」は、ことし6月に明らかになった産業用の蓄電池での検査不正に続いて、半導体向けの製品の一部でも、不正な検査を行っていたことがわかりました。
日立化成の発表によりますと、不正な検査が行われていたのは半導体を熱や衝撃などから守るために覆う「封止材」と呼ばれる製品です。
茨城県の下館事業所で生産されているもので、この製品の一部で取引先との取り決めとは異なる方法で検査を行っていたということで、取引先への通知を始めました。
不正が行われていた期間や製品の数などについては、調査中だとしていますが、会社は現時点で品質上の問題は確認されていないと説明しています。
日立化成では、ことし6月、産業用の蓄電池について、実際とは異なる検査データを記入して出荷する不正が少なくとも7年前から続いていたことが明らかになっています。
このため、会社は弁護士などで作る「特別調査委員会」を設置し、詳しい経緯や原因を調べていて、今回の不正は一連の調査の中で把握したとしています。
日立化成は、経団連の中西会長を出している日立製作所のグループ会社で、新たな検査不正が見つかったことについて、「お客さまをはじめ関係各位にご心配をおかけしておりますことを、改めて深くおわび申し上げます」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB