さまざまなものをインターネットに接続する「IoT」の技術によってタンク内の温度管理などを行い、日本酒を製造する実験が宮城県大崎市の酒造メーカーで始まりました。
この実験は、宮城県大崎市の酒造メーカー「寒梅酒造」がNTT東日本などと始めました。
実験では、醸造中の酒が入っているタンクにカメラやセンサーを設置し、映像や温度の情報をインターネットでスマートフォンなどに送る「IoT」の技術で、その場にいなくても、状態を確認できるようにします。
これによって、酒の品質を最適な状態に管理できるほか、手作業で行っていた温度の計測も自動化され、作業を効率化できるということです。
これまで日本酒の製造は、職人の経験や勘に頼ってきましたが、高齢化によって人手不足が深刻になっていることから、実験を通じて酒造りのデータを蓄積し、技術の伝承に役立てることにしています。
寒梅酒造の岩崎健弥代表は「感覚的な部分ではなく、数値として正確に品質を管理することでおいしいお酒がつくれる」と話していました。
またNTT東日本の中村浩宮城事業部長は、「伝統的な製品は経験と勘でできているものが多いので、それを見える化することで人手不足と高齢化が進む東北に貢献したい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB