大手商社の伊藤忠商事は、資源高などで今年度の決算の最終的な利益がこれまでで最高になる見通しです。ただ中国経済の減速が影響し、出資している中国最大の政府系企業グループに関連して1000億円規模の損失を計上する方針です。
伊藤忠商事は来年3月までの1年間の決算で最終的な利益が5000億円と、これまでで最高となる見通しです。
一方、関係者によりますと、3年前に資本提携した中国最大の政府系企業グループ「中信集団」に関連して1000億円規模の損失を計上する方針です。
これは、中国経済の減速などを背景に中国市場の株価が低迷する中、中信集団の中核会社の株式について、資産としての評価を見直したことによるものです。
ただ多額の損失を計上しても、資源高に加え繊維や建設関連といった幅広い事業分野の収益が増加することなどにより5000億円の最高益は確保できる見通しです。
伊藤忠商事によるこの出資はおよそ6000億円に上り、日本と中国を代表する企業どうしの大型提携として注目され、中信集団の業績自体も好調だということですが、中国経済の減速が日本企業の決算にも影響した形です。
-- NHK NEWS WEB