大手広告代理店「アサツー ディ・ケイ」の元執行役員が、TOB=株式の公開買い付けをめぐる公開前の内部情報をもとに他人名義で8200万円分の株を買い付けたなどとして、証券取引等監視委員会は元執行役員をインサイダー取引などの疑いで刑事告発しました。
告発されたのは東京 港区にある大手広告代理店「アサツー ディ・ケイ」の土屋誠元執行役員(63)です。
証券取引等監視委員会によりますと、土屋元執行役員はアメリカの投資ファンドが「アサツー ディ・ケイ」を完全子会社化するために行ったTOB=株式の公開買い付けの公表前の内部情報をもとに、去年9月、他人名義でおよそ8200万円分の株を買い付けたり知り合いに株の買い付けを勧めたりした疑いがあるということです。
TOBでの買い付け価格は、直近3か月の終値の平均値より24%高い1株当たり3660円に設定されていて、関係者によりますと、元執行役員は1000万円を超える利益を不正に得ていたということです。
このため監視委員会は30日、インサイダー取引などの疑いで東京地検特捜部に刑事告発しました。
関係者によりますと、元執行役員は監視委員会の調査に対し不正を認めているということです。
-- NHK NEWS WEB