おなかの中の胎児の超音波検査の画像から、人工知能を使って心臓の異常を検知するシステムを理化学研究所などの研究グループが開発し、さらに精度を高めて実用化につなげたいとしています。
生まれつき心臓に異常がある「先天性心疾患」は新生児100人に1人の割合で発症しますが、胎児の心臓は小さく動きが早いため、異常を見つけるには高度な技術が必要とされています。
理化学研究所や昭和大学、大手電機メーカーの富士通の研究グループは、人工知能の技術を使って胎児の心臓の超音波検査画像からリアルタイムで異常を自動的に検知するシステムを開発しました。
システムはリアルタイムで検知した異常を検査画面に表示でき、これまでに23例の先天性心疾患の胎児の画像を使って精度を検証し、1例を除くすべてで正しく検知したということです。
グループは来年度からは臨床試験を行い、2020年度の実用化を目指すとしています。
理化学研究所革新知能統合研究センターの小松正明研究員は「今後、システムの精度を専門医の水準にまで引き上げ、施設間の診断格差の解消や見落としを防ぐことに役立てたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB