アメリカの有名サーカス団が、動物保護団体からの批判を受けてゾウの曲芸を取りやめ、売り上げが減った影響などで、経営の継続が困難になったとして、150年近い歴史に幕を下ろすことになりました。
19世紀に始まったアメリカの「リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス」は、全米で興行を行う有名サーカス団で、動物を使った曲芸などで知られています。
親会社の「フェルド・エンターテイメント」は14日、チケットの売り上げの減少などで経営の継続が困難になったとして、ことし5月の公演を最後にサーカス団をたたむことを決めたと発表しました。
このサーカス団をめぐっては、曲芸にゾウを使うことが動物虐待に当たるとする動物保護団体などの批判を受け、親会社がアジアゾウを使った曲芸を取りやめることを決め、去年5月にすべてのゾウを公演から引退させていました。
発表によりますと、チケットの売り上げはこれまでも減少していましたが、ゾウを引退させて以降、激減したということです。
サーカス団の決定についてAP通信は、映画やゲーム、インターネットなどが登場し、サーカスが若者を以前のようにひきつけなくなったと指摘するなど、アメリカのメディアも相次いで伝えていて、150年近い歴史を持つ代表的なサーカス団の幕引きに関心が寄せられています。
-- NHK NEWS WEB