AI=人工知能を使って、およそ60年分の新聞記事を分析し、その時代の雰囲気を味で表現したというチョコレートが開発されました。バブル景気の年は甘い味になったということです。
開発したのは大手電機メーカーのNECで、5種類のチョコレートを発表しました。
開発にあたっては、まず、「上昇」や「不安」など600ほどの単語に対して、チョコレートの味を決める「甘み」や「苦み」など7つの要素について点数を決めました。
そのうえで、およそ60年分の新聞記事から抜き出した13万余りの単語について、AI=人工知能があらかじめ点数を決めた単語との関連性などから、年ごとの特徴を分析し、味の「レシピ」を作りました。
その結果、バブル景気だった「1987年」は「成長」や「海外旅行」などの単語が多く使われたため、甘く華やかな味になりました。
また、学生運動が活発だった「1969年」は、不安感を表す単語が多く、苦みが強くなった一方で、人類初の月面着陸が成功した年でもあることから、期待感を示すフルーティーな味もするということです。
レシピをもとにチョコレートを作った都内の専門店は、カカオの産地や砂糖の使い方などを工夫して、微妙な味の違いを表現したということです。
NECの茂木崇マネージャーは「その年の代表的な出来事だけでなく、AIがさまざまな出来事を反映させて味のバランスを変化させたのは新たな発見だった」と話していました。
-- NHK NEWS WEB