大手航空会社でパイロットによる飲酒の問題が相次いだことを受け、国土交通省は現在、航空会社が自主的に定めている乗務を制限するアルコール濃度について、新たに国の統一的な基準を設ける方針を固めました。
先月、日本航空の国際線の副操縦士が、ロンドンで乗務する前日に大量の酒を飲み、出発の直前に現地の警察の検査で基準を超えるアルコールが検出されたとして、逮捕されました。
全日空のグループ会社でも先月、機長が社内規定で乗務前の飲酒を禁じている時刻を過ぎたあとも酒を飲み続け、体調不良のため乗務できなくなりました。
パイロットによる飲酒の問題が相次いだことを受け、国土交通省は乗務を制限するアルコール濃度について、新たに国の統一的な基準を設ける方針を固めました。
アメリカやヨーロッパの航空行政では、呼気や血液の検査での統一的な基準が設けられていますが、日本では現在、航空会社がそれぞれ自主的に基準を定めています。
国土交通省は、日本でも基準を統一することで、飲酒による運航への危険性を航空各社に再認識してもらいたい考えです。
今後、自動車や船舶などほかの交通分野での飲酒に関する基準も参考にしながら、年内をめどに具体的な方針を示すことにしています。
-- NHK NEWS WEB