産後うつなどをきっかけとした虐待を未然に防ぐため、奈良県橿原市は医療機関や民間企業と連携し、メッセージアプリの「LINE」を使って妊産婦の悩み相談に応じる、全国でも珍しい試みを始めることになりました。
この試みは、橿原市と奈良県立医科大学、それに富士通が連携して始めるもので、2日は、それぞれの代表者が出席して、覚書が交わされました。
この試みでは、看護師や助産師などが富士通のコールセンターに常駐し、電話や「LINE」で寄せられる妊婦や出産後まもない母親などからの育児や体調面での相談に24時間体制で応じます。
さらに看護師などが妊産婦に定期的に電話をかけ産後うつなどになっていないか、見守るということです。
相談内容は大学の付属病院と市が共有し、虐待につながる兆候があれば、未然に防ぐために必要な行政サービスや医療的なサポートを提供していきます。
今月から来年2月にかけて、付属病院を受診している妊産婦合わせて100人を対象に実証実験を行い、具体的な効果を検証することにしています。
行政と医療機関、それに民間企業が連携して産前産後の支援を行うこうした試みは、全国的にも珍しいということです。
奈良県立医科大学の細井裕司学長は「妊婦や母親の安心感につながる試みだと期待している」と話していました。
-- NHK NEWS WEB