太平洋にある島国、パラオが、さんご礁にとって有害とされる物質を含む日焼け止めの販売や持ち込みなどを2020年から禁止することになり、一部のメーカーなどから、さんご礁に悪い影響を及ぼすとする根拠が不十分だという指摘が出るなど、論議を呼んでいます。
パラオでは、さんご礁の破壊につながると専門家が指摘するオキシベンゾンやオクチノキサートなど、10種類の物質を含んだ日焼け止めを対象に、製造や販売、それに国内への持ち込みを2020年1月から禁止する法律が先月、成立しました。
違反した場合、販売については最高で1000ドル(11万円余り)の罰金を科し、観光客などが持ち込んだ場合は没収するとしています。
禁止の狙いについて、レメンゲサウ大統領は「パラオには、ほかに例がないこの自然とどう共存してきたのかを海外からの観光客に知らせる義務がある」と説明しています。
この法律をめぐっては、さんご礁への影響について訴えてきた専門家から評価する声がある一方、日焼け止めを製造したり販売したりする企業などからは、さんご礁に悪い影響を及ぼすとする科学的な根拠が不十分だという指摘が出るなど、論議を呼んでいます。
さんご礁などの保護を目的に日焼け止めを規制する動きでは、ことし7月、アメリカのハワイ州で、有害とされる物質を含む日焼け止めの販売・流通を2021年から禁止する法律が成立しています。
-- NHK NEWS WEB