韓国で、パク・クネ(朴槿恵)大統領の長年の知人をめぐる一連の事件や疑惑を捜査している特別検察官は16日、最大の財閥サムスングループの事実上のトップに関して、贈賄や横領などの疑いで裁判所に逮捕状を請求し、特別検察官の捜査は大きな山場を迎えました。
韓国政府から独立した立場で一連の事件や疑惑を捜査している特別検察官の捜査チームは16日、サムスングループが、パク・クネ大統領の知人のチェ・スンシル(崔順実)被告が深く関わる2つの財団などに拠出した資金のうち430億ウォン(およそ41億4700万円)は賄賂にあたるとして、グループの事実上のトップ、サムスン電子のイ・ジェヨン(李在鎔)副会長に関して、贈賄や横領などの疑いで裁判所に逮捕状を請求したと発表しました。
また、捜査チームは「パク大統領とチェ被告が利益を共有していたことを相当部分で立証できる」と述べ、贈賄の一部はパク大統領に対するものだという認識を示しました。
特別検察官は、イ副会長がグループ内の企業どうしの合併をめぐって大統領府に協力を求め、その見返りとして、チェ被告側に資金を拠出したと見て、今月12日から13日まで22時間にわたって事情を聞いていました。
韓国メディアは、財閥トップは逃亡のおそれがないとして、逮捕状を請求する必要性について疑問も示していましたが、捜査チームは「経済的な影響も考慮したが、正義がより重要だと判断した」と述べました。
特別検察官は、イ副会長が、グループ内の企業どうしの合併をめぐって大統領府に協力を求め、その見返りとして、チェ被告側に巨額の資金を拠出したと見て、今月12日から13日にかけて22時間にわたり、イ副会長に対する事情聴取を行っていました。
-- NHK NEWS WEB