横浜市のスーパーで働いていた知的障害のある男性が、従業員から暴言を受けたと訴えた裁判で、会社側が、従業員の不適切な言動を認め、障害者が働きやすい職場環境を整えることで、東京高等裁判所で和解が成立しました。
軽度の知的障害があり、スーパー「いなげや」の横浜市の店舗で5年前まで働いていた28歳の男性は、指導を受けていた女性従業員から繰り返し暴言や暴行を受け、退職に追い込まれたなどとして、会社と女性に賠償を求めていました。
1審の東京地方裁判所は去年、女性従業員の一部の暴言を認め、22万円の賠償を命じましたが、双方が控訴していました。
これについて男性と弁護士が会見を開き、6日東京高等裁判所で和解が成立したことを明らかにしました。
和解の条件には、会社側が従業員に不適切な言動があり、会社も適切に対応できなかったことを認め、遺憾の意を表すことや、障害者の職場環境の整備に努めることなどが盛り込まれたということです。
賠償金については、明らかにしませんでした。原告の男性は会見で「やっと気持ちが伝わり、よかったです。障害がある人にも、働きやすい会社になってほしいです」と話していました。
原告側の黒松百亜弁護士は「障害の特性を理解し、職場環境を整えていけば、障害者ができる仕事は増えていく。職場で障害が理解されず苦しんでいる人はたくさんいるので、多くの企業が考えてほしい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB