世界33の国と地域を対象にした人材のミスマッチに関する調査で、日本は、IT分野などの高度なスキルを持つ人材を確保するのが最も難しい国だと指摘されました。
この調査は、イギリスの大手人材コンサルティング会社「ヘイズ」が、33の国と地域の政府統計などをもとに、企業が求めているスキルと実際に仕事を求めている人のミスマッチの度合いを数値化したものです。
それによりますと、求人が過剰な状態を「10」、人手が過剰な状態を「0」、均衡がとれた状態を「5」とした場合、日本は去年より0.1ポイント上昇して最大の「10」となりました。
これは、スペインやルクセンブルクと並んでIT分野などの高度なスキルを持つ人材の確保が最も難しい国であることを示しています。
その理由として、労働人口の減少のほか急速な技術の進化に日本の人材が持つスキルが追いついていないことを挙げ、背景には、横並びの給与など従来型の評価制度や日本の教育内容に問題があるとしています。
一方、今回の調査で人材の均衡がとれていたのは香港やインドで、外国から人材の受け入れを進めていることなどが背景にあるとしています。
記者会見したヘイズの日本法人のマーク・ブラジ代表は「日本がやるべきことは必要な人材を育成すること、必要な人材を受け入れること、人材を適応させていくことだ。もし人材の獲得競争に勝ちたいのであれば国際的な課題やルールを理解しなければならない」と指摘しています。
-- NHK NEWS WEB