日本政府は、韓国政府が自国の造船会社に対して巨額の公的資金を投入するなど手厚い支援を行っているのはWTO=世界貿易機関のルールに違反しているとして、韓国側に対しWTOへの提訴の前提となる2国間の協議を始めるよう要請しました。
韓国政府は、経営危機に陥った大手造船会社の「大宇造船海洋」に1兆2000億円に上る公的資金を投入しているほか、造船各社に対し手厚い保証金制度を設けるなど公的な支援を行っています。
日本政府はこうした支援によって、韓国の造船各社が安い価格で船舶を受注し、市場価格をゆがめているとして対応を求めてきましたが、先月下旬に行われた日韓の政府間協議でも、韓国側からは前向きな姿勢は示されませんでした。
このため日本政府は、韓国政府の対応がWTOのルールに違反しているとして6日、WTOの小委員会への提訴の前提となる2国間の協議を始めるよう韓国側に要請しました。
日本政府は、今後60日以内に2国間協議がまとまらなかった場合、小委員会に提訴する方針です。
日本政府は原発事故に伴う日本産の水産物の輸入規制など、WTOで合わせて3つの事案で韓国政府と係争中で、今回の件を提訴すれば4件目となります。
-- NHK NEWS WEB