中国が巨大経済圏構想「一帯一路」の一環としてミャンマーで主導する港湾の開発計画について、ミャンマー政府は中国からの多額の債務を返せなくなるおそれがあるとして、事業規模を当初の5分の1に縮小することで中国側と合意しました。
ミャンマー西部ラカイン州では、石油と天然ガスの加工施設など中国主導の大規模な開発が進んでいるほか、中国とミャンマーの両国が出資しあって大型船も接岸できる港を建設することにしています。
この港について、ミャンマー政府と開発を主導する中国国有の企業は、事業規模を当初の計画の5分の1にあたる13億ドル(日本円でおよそ1470億円)に縮小することで合意し、8日、ミャンマーの首都ネピドーで合意文書が交わされました。
中国は、インド洋に面するラカイン州を巨大経済圏構想「一帯一路」の拠点の1つとして重視してきましたが、ミャンマー政府は、中国からの借り入れで多額の債務を抱え返せなくなるおそれがあるとして方針を転換し、中国側に計画の見直しを求めていました。
署名式でミャンマーの政府高官は「負担を軽減し、双方の利益にもつながるよう計画を見直した。中国とは引き続き緊密な関係を築いていきたい」と述べました。
「一帯一路」をめぐっては、スリランカの港で債務の返済のめどが立たず、運営権を中国に譲渡する事態になったことからアジア各国で懸念が広がり、パキスタンやマレーシアでも見直しの動きが出ています。
-- NHK NEWS WEB