東日本大震災の津波のすさまじさを物語る建物として宮城県名取市閖上地区に残っていた、かまぼこ製造工場の解体工事が今月から行われています。震災の月命日の11日、近くで開かれた港の朝市に集まった人たちからは震災の記憶を物語る建物を惜しむ声が聞かれました。
震災の津波で700人以上が犠牲となった名取市閖上地区にある老舗のかまぼこ製造会社、「佐々直」の元の工場は、鉄筋コンクリートの2階建ての建物で、1階部分は大きく壊れたものの遠くからでも一目で分かる赤い看板などが残り、周囲がさら地になる中で、津波のすさまじさやかつての地域の姿を伝える象徴となっていました。
この建物をめぐっては、震災の遺構として残す計画もありましたが、市がこの場所を公園として整備することになり、会社が解体を決め、今月9日から工事が始まりました。
-- NHK NEWS WEB