主な産油国が原油価格の維持を目指して減産を検討する中、中東で石油の見本市が始まり、サウジアラビアの担当相は、来年、世界全体の需要のおよそ1%にあたる規模で減産が必要になるという考えを示しました。これに対して消費国のインドは原油価格が高止まりすることへの警戒感を示しました。
この見本市は12日、UAE=アラブ首長国連邦の首都アブダビで始まり、産油国と消費国から政府関係者や関連業界の企業が参加しています。
UAEではこの前日、サウジアラビアやロシアなど主な産油国が会合を開き、原油余りへの懸念から来年は生産を減らすことがあり得るという認識で一致し、原油価格の高値維持を図る姿勢を打ち出しています。
見本市では、産油国の議論を主導するサウジアラビアのファリハエネルギー産業鉱物資源相が「市場のバランスをとるため、われわれは日量100万バレルの減産が必要であれば行う」と述べ、来年は世界全体の需要のおよそ1%にあたる規模で減産が必要になるという考えを明らかにしました。
一方、原油の消費国インドのプラダン石油・天然ガス相は、「世界の主な消費国であるインドは、原油価格を一定の水準以下に抑えるよう求める」と述べ、価格が高止まりすることへの警戒感を示しました。
主な産油国は来月、来年の生産量を決める予定で、減産の方向で議論を進めるとみられますが、日本を含めた消費国の理解をどう得るかも課題になりそうです。
-- NHK NEWS WEB